ココが違う!大手ヨーグルトメーカーの“こだわり”徹底比較

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ヨーグルト市場は乳酸菌飲料を除いても4000億円規模を突破し、チルド商品売り場の一角を占めています。

大型店舗なら数十種類のヨーグルトを扱っているところも多くなりました。

ヨーグルトには味も大きさも様々で、それぞれに特徴があります。

ではその作り手である“ヨーグルトメーカー”にも特徴があるのでしょうか?

この記事では、大手ヨーグルトメーカーを中心に、商品に隠された企業の特徴や想いを探ります。

ヨーグルトのメーカー別シェア

2014年度(4~1月)のシェアは、メーカー別で下表のように推定されます。

順位メーカー名シェア(推定)
1.明治29.8%
2.森永乳業11.7%
3.雪印メグミルク11.3%
4.ダノンジャパン9.3%
5.グリコ乳業4.7%

以下、オハヨー乳業3.6%、ヤクルト3.3%と続きます。

4位のダノンジャパンは外資系メーカーで、もともと「味の素」と「カルピス」との合弁会社でした。

現在は「ダノン」の子会社となっています。

この「ダノンジャパン」を除くと、残りの4社は全部“乳業系”なんです。

「森永乳業」と「グリコ乳業」は見ての通り、残りの2社は社名こそ変わっていますが前身は「明治乳業」「雪印乳業」でした。

どこも、自社ブランドの“牛乳”を扱っている会社ばかり。牛乳はヨーグルトの主原料ですから、当然の展開とも言えますね。

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それでは、ヨーグルトシェア上位3社について、それぞれの特徴を見てみましょう。

シェア1位:業界トップの凝り性『明治』

いわずと知れたヨーグルトメーカーです。主力商品は『明治ブルガリアヨーグルトLB81』。正統派ともいえるプレーンヨーグルトです。

↓よくみるこちらのヨーグルトです。

こだわりの滑らかさ

『ブルガリアヨーグルト』は、大阪万博に出展された本場・ブルガリアのヨーグルトにヒントを得て

古くからヨーグルトの製造に用いられていたラクトバチルス属のブルガリア菌と、ストレプトコッカス属のサーモフィラス菌の2種類から作られています。

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ヨーグルトの種菌としては非常にポピュラーな組み合わせですが、発酵が速く進むため

カード(牛乳のタンパク質が乳酸などによって変性してできる塊)が粗くなってしまう傾向があります。

そこで、明治は研究の結果、“まろやか丹念発酵”という技術を編み出しました。

酸素濃度を下げた状態で発酵させることにより、まろやかな風味と滑らかな食感を生み出すことに成功しました。

この明治独自の技術で特許を取得し、農林水産大臣賞を受賞しています。

伝統食から機能性食品へ

『ブルガリアヨーグルト』の整腸効果が科学的に認められ、1996年にトクホの認可を受けました。

おいしさだけでなく効果を併せ持つことで、その地位を不動にしたともいえるでしょう。

そして、このロングセラー商品と双璧をなしているのが、より機能性に特化したヨーグルト『プロビオ』のシリーズです。

14年度のヨーグルト市場は、目新しさに乏しくなったフルーツヨーグルトが落ち込みましたが、その分を明治の機能性ヨーグルト「R-1」をはじめとするドリンクタイプがカバーする形となったのです。

従来の機能性ヨーグルトはトクホを取得していても、“腸内環境改善”という土台の上に成り立つ“整腸効果”“美肌効果”などが主流でした。

ところが、この『プロビオ』シリーズは同社いわく「ヨーグルトの新たな健康価値を創造する商品」なのです。

従来の機能性ヨーグルトと一線を画す、ワンランク上のクオリティといえるでしょう。

プロビオシリーズには『LG-21』『R-1』『PA-3』があり、いずれも明治所有の2500種以上の乳酸菌の中から選び抜かれた菌種の名前が冠せられている商品です。

このシリーズの特徴は、ターゲットが“疾患”という点です。

『LG-21』なら胃ガン・胃潰瘍
『R-1』ならインフルエンザ
『PA-3』なら痛風(尿酸値の低減)

というように誰もがリスクを軽減したいと思う疾患への効果を謳っています。

『プロビオ』にみる“明治”の信念

とても興味深いのは、多くの機能性ヨーグルトがトクホを取得している中、『プロビオ』シリーズは1つも取得していない点です。なぜ??

トクホマークは、厚生労働省の専門委員会がその効果を科学的に認めたことの裏付けです。

企業は多額の費用を研究と申請資料につぎ込み、トクホ取得を目指してきました。

たしかに“国のお墨付き”は消費者に対して効果があります。

ところが、明治はこの“お墨付き”をつけぬまま、自社のWebサイトに研究データと大規模調査などの実績を公表し、販売を開始したのです。

「実績を公表し」というのがミソですね!自信がないだけなら公表はしませんから。

明治レベルの大企業はいい加減な事も発表できないですし。

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ここには、日本のヨーグルト市場の開拓者としての自負と、消費者へダイレクトに訴えるマーケティングの先見性、そして、それを裏付ける研究者の自信が垣間見られます。

シェア2位:腸内細菌エリートを自在に操る『森永乳業』

森永乳業の特徴は“ビフィズス菌”にあるといっていいでしょう。

数あるヨーグルトの中で、ビフィズス菌を前面に打ち出している商品は意外と少ないのです。それはビフィズス菌の扱いにくさに原因があります。

ビフィズス菌のパイオニア

ビフィズス菌は腸内細菌のエリートです。

善玉菌とされる菌は何種類もいますが、ビフィズス菌ほどヒトの健康に寄与している菌はいないレベルです。

善玉菌という名称自体(ほぼ)ビフィズス菌が生育しやすいようにする菌に対して称されているものです。

このように非常に有益な菌ですが、ビフィズス菌は他の乳酸菌と違って酸素があると発育できず、消化液の酸に弱いという特徴があります。

つまり、発酵させるときも通常の状態では発育不全、普通に食べたら胃酸で死んでしまう…というデリケートな菌なのです。

しかし、森永乳業はビフィズス菌の有用性を何とかして人に還元しようと、様々な研究を行ってきました。

結果、ビフィズス菌株BB536の発見や、ビフィズス菌末の作成などが行われ、商品化できたのです。

嗜好性の高い商品ラインナップ

森永乳業のもう一つの特徴は、“嗜好性の高いヨーグルトの開発が得意”という点です。

例えば、フルーツヨーグルトに新しいカテゴリーを作り出した『森永アロエヨーグルト』、高級感あるデザートともいえそうな『濃密ギリシャヨーグルト パルテノ』などです。

『アロエヨーグルト』は、アロエのみずみずしさにピッタリの風味をつけ、森永乳業独特のまろやかなヨーグルトと併せたことで、爆発的なヒット商品となりました。

他社もアロエヨーグルトを販売していますが、森永乳業の1人勝ちといっても良いでしょう。

また、従来のさっぱりしたヨーグルトのイメージを払拭させるほど濃厚な『パルテノ』は、ヨーグルトというよりもデザートに近い味わいで

“ヘルシーだけど満足できるヨーグルト”として女性を中心に人気を集め、日本市場に新しいカテゴリーを作ったと言えます。

ギリシャヨーグルトについてはコチラ

パイオニア精神あふれる森永乳業

ビフィズス菌の開発で培われた社風なのか、森永乳業は新しいジャンルの開拓が上手なメーカーです。

新しい物好きだけれど飽きっぽいという日本の市場において、新しいカテゴリーを切り拓いていくのは至難の業です。

ですが、森永乳業はこういった商品を生み出し、市場に定着させています。消費者のニーズを掴むのがうまいと言えますね。

機能性だけでなく“おいしさ”も忘れないのが森永乳業の商品ラインナップです。次はどんな商品を発売するのか、期待させるメーカーです。

シェア3位:強い菌で日本に恵みを『雪印メグミルク』

雪印メグミルクの主力商品は、なんといっても『恵』シリーズでしょう。

このシリーズに使われている「ガセリ菌」「ビフィズス菌」が雪印メグミルクを知るキーワードになります。

実は2系統の『恵』シリーズ

うっかり見落としがちなのですが、実は『恵』シリーズには2つの系統があります。

1つは『ナチュレ恵』グループ。

これには大容量タイプのプレーンヨーグルト『ナチュレ恵/脂肪ゼロ/フルーツヨーグルト』などがあります。

これらの商品には、いずれも「ガセリ菌SP株」と「ビフィズス菌SP株」が含まれており、『ナチュレ恵』だけはトクホを取得しています。

そして、もう1つは『恵』グループ。こちらは『恵ガセリ菌SP株ヨーグルト』『恵ビフィズス菌SP株カプセルヨーグルト』です。

それぞれ商品名の菌が含まれています。他に、宅配専用の『恵ガセリ菌+グルタミンヨーグルト』『恵お腹に直行便』があり、前者にはガセリ菌SP株、後者にはビフィズス菌SP株が含まれます。

この他にも、雪印乳業時代から続く『牧場の朝ヨーグルト』などもありますが、現在は『恵』シリーズの方がシェアがあります。

主要2菌株“組み合わせ”のヒミツ

同社のヨーグルトには、ガセリ菌SP株とビフィズス菌SP株の組み合わせが非常に目立ちます。

これはなぜなのでしょうか?

答えは「ヒトの腸での生息域が異なる菌だから」です。

ガセリ菌は小腸ビフィズス菌は大腸に棲む菌ですが、この両方の腸内環境を整えることが大切であるという考えに基づき商品開発を行っているからです。

さらに、雪印メグミルクが所有するガセリ菌SP株とビフィズス菌SP株には優れた特徴があります。

どちらも日本人の腸から採取された菌であること、長く小腸・大腸にとどまり、健康に寄与することです。

実は口から摂取した菌のほとんどが腸に適合せず、体外へ排出されてしまうのですが

日本人由来の菌ということは日本人の腸との相性が合う可能性が高まります。

これも同社の検証実験で確認されており、ガセリ菌やビフィズス菌の機能性を長く受け続けることができるわけなのです。

ガセリ菌についての過去記事はコチラ

同社の様々な製品に使われているガセリ菌SP株ですが、ここ数年、雪印メグミルクはこの菌が持つ機能を前面に押し出してアピールしています。

特に、『ガセリ菌SP株ヨーグルト』は「内臓脂肪に効くヨーグルト」として発売され、消費者の注目を集めています。

ヨーグルトの真髄、プロバイオティクスを追及

ところで、何度も登場する「ガセリ菌SP株」「ビフィズス菌SP株」ですが、菌種は違っても同じ株名がついていますね。

この「SP株」の“SP”に、雪印メグミルクのポリシーが隠れていると思います。

“SP”の“S”は雪印の“Snow”から、“P”“Probiotics(プロバイオティクス)”から一文字ずつとって名づけられたものです。

プロバイオティクスとは人体に良い影響を与える微生物(善玉菌)のことですので、自社の頭文字と健康概念を組み合わせた菌株名は、そのまま企業としての姿勢を表していると言えるでしょう。

この考えを商品化したものが、『恵』シリーズです。

生息環境が異なる2種の善玉菌の、しかも高生存率の菌株を配合し、基本的なプロバイオティクスの底力を見直そうとする同社の商品群は、ターゲットを限定しがちな昨今の開発競争に何かを問いかけているのかもしれません。

ヨーグルト市場シェア上位3社の比較論、いかがでしたか?

どこのメーカーも企業として売り上げを伸ばさなければならない現状と、消費者に良いものを届けるという使命感で揺れ動いていると私は感じました。

特に、機能性ヨーグルト全盛の状況にあっても、昔からのいわゆる定番商品が根強く残っているということは

機能性という特化したニーズだけでなく、おいしさやヘルシーさといったライトな部分も変わらずに求められているからだと言えるでしょう。

どのメーカーのヨーグルトも、長い時間をかけて研究・開発してきたヨーグルトです。

お気に入りのヨーグルトのメーカーの、ヨーグルトに対する熱い想いを感じ取ってもらえたら嬉しいです。

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