ヨーグルトを食べているのに便秘が解消できない…
「ヨーグルトなんて、本当は効かないんじゃない?」と疑いの目を向ける人もいるかもしれません。
でも、ヨーグルトが便秘に対して効果を持っているのは事実。
それを聞いたから、ヨーグルトを食べ始めたのではありませんか?
では、なぜ便秘が解消されないのでしょう?
そこにはちょっとしたコツがあるのです。
今回は、ヨーグルトを便秘の改善に役立てる方法について、コツを踏まえて紹介していきます!
どうやって食べる?
ひたすら食べましょう!
…と言っても過言ではありませんが、ちょっと漠然としすぎていますし、もう少し効率的に便秘を解消したいと思いますので、補足していきますね。
ポイントは「いつ・量・期間」の3つ。
自分のヨーグルトの食べ方と比べてみてくださいね!
いつ食べればいい?
これもいつでもいいです。
…というと、いい加減に聞こえちゃいますかね??
でも、食べるタイミングを逃したからと言って「あ~、食べ損ねた」となるよりも、思い出したときや小腹が空いたときなどに食べた方がはるかにマシです。
ですから、「タイミングに縛られなくても大丈夫だよ~」という意味です。
ただし、便秘解消が目的とはいえ、“どのように改善したいのか”という意図や、“ヨーグルトを食べるついでに別の効果も欲しい”という場合によっては、おすすめのタイミングがあります。
ケース① とにかく便秘改善を目指したい
とにかく便秘に悩んでいる人、一日も早く解消したい人におすすめしたいタイミングは「朝」です。
朝、コップ一杯の水を飲むと胃腸が刺激を受け、腸の蠕動運動が活発化するため、便意を催しやすくなることは、便秘で悩んでいる人なら知っているかもしれませんね。
食事を摂ることにも同じような効果があります。そして、もちろんヨーグルトにも!
ですから、別項で述べる“食事を一食ヨーグルトに置き換える”というなら朝食時がおすすめと言えます。
朝は忙しいので朝食を抜いてしまいがちですが、手軽に食べられるヨーグルトなら食事を抜いてしまうことで腸を刺激できないという事態も防ぐことができます。
便意は習慣的に起こるものですから、欠かさず朝にヨーグルトを食べ、腸の動きを促していくのが良いでしょう。
ケース② ヨーグルト中の乳酸菌を生きたまま腸まで届けたい
多くの乳酸菌は胃酸などの消化液が作る極端な酸性条件では死んでしまう可能性が高いですから、この環境になっている空腹時は生菌を摂るタイミングとしてはあまり適切ではありません。
他の食べ物が胃などに入っていて消化液が薄まっている状態、つまり「食事のあと」が絶好のタイミングというわけです。
もちろん、ヨーグルトに含まれる乳酸菌が腸へ届いた時の生死は、便秘改善には直接的に関係がありません。
とにかく菌の体(菌体)を腸に棲みついている善玉菌のエサとして供給し、排便に適した便の原料となってくれれば、ヨーグルトは便秘改善の一翼を担えるのです。
ただし、乳酸菌が生きて腸まで届くと2つのメリットを得られる可能性があります。
1つめは、乳酸菌が便として排出されるまでの間、乳酸菌が発酵を行って、体に有用な物質(乳酸菌生産物質)を作り出してくれる点です。
これらの物質の中には、乳酸や酢酸のように腸を刺激して蠕動運動や免疫機能を活発にしたり、大腸菌などの悪玉菌が増殖して腸内環境が悪化したりするのを防ぐ作用があります。
蠕動運動も悪玉菌の抑制も便秘改善には欠かせないものですから、便として排出されるまでの間、もともと棲んでいる善玉菌に協力してくれるというのは改善への近道にもなるわけです。
2つめは、もしかしたらヨーグルトの乳酸菌も棲みついてくれるかもしれないという点です。
腸内に棲みつく善玉菌には乳酸菌やビフィズス菌などがいますが、彼らには縄張りがあり、後から入ってきた菌は簡単に棲みつくことができないと言われています。
でも、絶対にないわけではありません。
事実、住みつきやすい菌や、定住はできないけれど他の種類よりも長く腸内に留まれる菌もいるのです。
うまい具合にこれらの菌に巡り合えれば、長期にわたって腸内で活躍し、便秘の改善に役立ってくれる可能性があるというわけです♪
ヨーグルトに含まれる菌の種類も重要ということですね!
この辺りについては後述します!
ケース③ ついでに別の効果もほしい
ちょっと欲張りなヨーグルトの食べ方ですが、それも食べるだけで叶えてくれちゃうのがヨーグルトの良いところ。
この“効果”にはいろいろありますが、代表的なのは「ダイエット」でしょう。
1食分や食事の一部をヨーグルトで置き換えるダイエット法は、簡単に摂取カロリーをカットしつつ、不足しがちなタンパク質を補えるものとして効果的です。
リバウンドも少なく空腹を我慢しなくてもよいので、無理なく続けられるために成功率の高いダイエット法でもあります。
こちらの記事で詳しい方法を紹介していますので、興味のある方はぜひご覧ください!
この場合、食事のタイミングで摂ることが多いと思いますが、仮に小腹が空いたとき…例えばおやつの時間にとっても大丈夫です。
ダイエットでは禁忌とされている夜食も、食べない方がいいに決まってはいますが、我慢できなくてストレスを溜めたりダイエットに挫折したりするくらいなら、ヨーグルトを食べてやり過ごす方をおすすめします。
ただし!!
砂糖たっぷりのヨーグルトやフルーツヨーグルトはNGです。
プレーンヨーグルトにハチミツを少量入れるか、ダイエット甘味料・オリゴ糖を入れるなどして食べましょう。
空腹の時間をきちんと作りつつ、食事やおやつのタイミングで食べるのは便秘改善だけでなくダイエット効果も得られるのでおすすめですよ。
量
どのくらいの量を食べれば効果があるのか…という点については、いろいろ議論がわかれるところですが、1つの目安として1日200㎖という見解があります。
まずはこの量を食べるように頑張ってみましょう(^-^)
もちろん、食事の代わりに食べる場合は200㎖では足りませんね。この量以上食べても全く問題ありません。
腸内細菌学の世界的権威である光岡先生は500㎖以上摂っているそうですから、トライしてみてください!
200㎖でも多いと感じる人がいるかもしれませんが、実はヨーグルトに含まれる菌体は便の大切な構成成分。
菌体は便の15%を占めており、これが便の固さにも関係しているんです。
ですから、腸内で増殖する菌の分があっても、きちんと供給してあげることは大切で、その目安が200㎖と言われているわけです。
ところで、ヨーグルトを1日200㎖摂るとどのくらいの菌体を摂れると思いますか?
なんと、最低20億個!!
効いてくれそうですね!!
もちろん、食べるタイプのヨーグルトだけでなく、飲むタイプ(ドリンクヨーグルト)でもOKです。
ただし、パッケージの“種類別”に「はっ酵乳」となっているものを選んでくださいね。
ここが「乳製品乳酸菌飲料」だと菌数は同じですがタンパク量は半分以下、「乳酸菌飲料」だと菌数は10分の1以下でタンパク量はほんのちょっとになります。
菌体の補給だけが目的なら乳製品乳酸菌飲料でも大丈夫ということです。
期間
タイミングは目的によって自由、量は一日200㎖以上…となると、気になるのは「どのくらい続けるのか」という点ですね。
これは便秘改善を目的とする場合、「ずっと」というのが正解です。
そう、毎日継続して200㎖以上取り続けることが重要なのです。
…というのも、便秘を引き起こしている原因はいくつもの要因が絡み合っている可能性が高く、ヨーグルトはそれを改善する条件の多くを兼ね備えた食品だといえるからです。
例えばヨーグルトに含まれる水分も便の重要な構成要素。
なんと便の8割は水分なんですよ。
たっぷり水分を摂ることは便秘改善の1つの方法ですが、ヨーグルトを摂ることでこれも達成できちゃうわけです。
そして、なによりも排出されてしまう菌体を補うこと、善玉菌のエサとなる栄養を補給するためにも、ヨーグルトを食べ続けることが必要です。
でも、中にはヨーグルトを食べていても便秘改善の兆候が見られない人もいます。
考えられるのは腸内細菌とヨーグルトの相性が合っていないということ。
ヨーグルトに含まれる牛乳の分解物や菌体は腸内の善玉菌のエサになりますが、それが善玉菌の好みに合っていない可能性があるのです。
こういった場合、やみくもにずっとヨーグルトを食べ続けても効果が上がらないことがあります。
ヨーグルトを食べ続けることは重要であっても、いま食べているものが自分に合っているかどうかの見極めは、ある程度の段階で必要なのです。
その期間というのがだいたい2週間。
酷い便秘症の人や高齢者は4週間くらいかかるという報告もありますから、自分の便秘の状況に応じて判断してくださいね。
効果が現れればそのヨーグルトを食べ続けていきましょう。
途中で効果が現れない場合は、また種類を変えるか、別項で述べる方法も試してみましょう。
ヨーグルトにデメリットはある?
さて、これだけの量を毎日食べ続けていくことに何の問題もないのか…と心配になるかもしれませんね。
大丈夫です!
ただし、ここで言う“ヨーグルト”とは無糖タイプのプレーンヨーグルトのことです。
甘いものやフルーツたっぷりのデザートタイプは論外です。
食べる時はほどほどにしましょう。
もともと乳製品の発酵物であるヨーグルトはチーズと同様に食材の一つ。
日本ではデザートのイメージが強いので、ついつい甘くして食べる物と思いがちですが、料理に利用するなどして摂るのもOKですよ。
また、乳製品はカロリーが高く、乳脂肪も太りやすいなど体に良くないのでは…と思う人がいるかもしれませんね。
しかし、排便には適度な脂肪分も有効ですし、肥満と乳脂肪の関係を否定する研究も報告されています。詳しくはこちらもご覧くださいね。
もう一点、体質的に乳製品を受け付けない人もいます。
特に乳糖不耐症の人は牛乳などに含まれるラクトースを分解する酵素を遺伝的に作れず、そのために乳製品を摂取すると下痢を起こしやすくなります。
ヨーグルトやチーズなどの発酵食品は、乳酸菌などが乳糖をある程度分解しているため、摂取しても下痢を起こしにくいと言われていますが、あまり食べ過ぎない方が良いでしょう。
様子を見ながら摂取量を調整していきましょう。
ぜひプラスしたい「3つの習慣」
便秘には必ず原因があり、それは体質だったり生活習慣だったり、人によって様々です。
しかも多くの場合、複数の要因が複雑に絡み合っているために便秘を発症しているのが一般的です。
ですから、ヨーグルトだけではカバーしきれないこともあり得ます。
毎日200㎖以上食べ続けて、種類を変えたりしても効果が薄いと感じる場合は、善玉菌の活動をサポートしてあげることも必要なんですね。
主だったものを紹介しておきましょう。
難消化性物質の摂取
小難しい表現ですが、簡単に言うと、ヒトの消化酵素で分解できない物質を摂ろうということです。
これらの物質には
- 便のカサを増す
- 善玉菌のエサに最適
- 水分の保持
といった効果があります。
どれも便秘の改善には必要なことですね。
では、難消化性物質とは何なのか。実はこれ、結構簡単に摂れるものなんです。
例えば、
- 食物繊維
- オリゴ糖
などが代表選手。
食物繊維には水溶性と不溶性がありますが、どちらも摂ることが大切です。
野菜類に多く含まれ、ゴボウやキノコ類、海藻類などは特に豊富に含まれていますから、上手に摂っていきましょう。
一方のオリゴ糖は、ゴボウや豆類、バナナやハチミツなどから摂取することができます。
食物繊維も善玉菌のエサになりますが、オリゴ糖は特にビフィズス菌の大好物!
ヒドイ便秘に悩んでいる人は腸内環境が相当乱れている可能性が高いですから、それを改善してくれるビフィズス菌のエサをたっぷり与えることも大切ですよ。
食事が不規則で野菜類から十分な量のオリゴ糖を摂るのが難しい人は、市販の「オリゴ糖製品」を利用するのがいちばんです。
商品としては『オリゴのおかげ』が有名でしょう。
おススメの摂り方は、プレーンヨーグルトにプラスする方法。
これだとカロリーも抑えられる上に甘みも付けられるのでぴったりですよ。
ただし、いずれも摂り過ぎると便が緩くなり過ぎることがありますので、気を付けてくださいね。
水分の補給
人間の体が1日に排出する水分の量は、尿や汗など合わせて約2.3リットルと言われています。
実は、便秘でない人の便には、80%以上の水分が含まれているんですよ。
便秘をしないような柔らかさを保つには、たっぷりの水分を便のために摂ってあげなきゃいけないわけです。
ここで大切なのは、水分を液体として摂取しなくても良いという点。
食品に含まれている水分も、カウントして良いわけです。
一般的に1日3回の食事から摂取できる水分を除くと、あと1.5リットル不足していると言われています。
1.5リットルといえば、大きなペットボトル1本分。結構たいへんです。
頑張って飲むようにしましょう。
ただし、ただ水だけ摂っても腸からどんどん吸収されてしまい、摂ってもあまり意味がありません。
この水分を蓄えておいてくれる水溶性食物繊維などの存在も不可欠なのです。
あわせて摂るようにしましょうね。
ところで、実はヨーグルトも水分の補給に役立っているんですよ。
ヨーグルトの水分量はなんと9割!
固まっているように見えてもほとんどが水なので、ヨーグルトを“食べる”と同時に水も“飲める”というわけです。
水分補給という点でも活用していきたいですね!
適度な運動
排泄には腸の蠕動運動とともに、外部からかかる圧力によって押し出すことも重要です。
その力の大きなポイントが腹筋による「腹圧」。
実は高齢者に便秘が多く見られる原因の一つに、この腹圧の低下があげられているんです。
腹圧を生み出す腹筋は加齢とともに低下していきますが、若いからといって油断はできません。
特に女性の筋力の低下は若い世代ほど問題視されており、デスクワーク中心のOLは腹筋の筋力も低下している可能性があります。
机に座ってパソコンを使っていると、背中が丸くなって腹筋が緩んだ姿勢になってしまうんですね。
トレーニングをしている人は問題ありませんが、そうでない人は腹筋と背筋で姿勢をキープするよう心掛けたり、階段を利用するなどして意識的に足の上げ下げを行って腹筋を動かしたりするような生活を心掛けていきましょう。
ヨーグルト以外の方法は?
便秘の改善にヨーグルトをおすすめする理由の一番は、乳酸菌やビフィズス菌を含むからです。
それなら、キムチなどの漬物やサプリメントなどのように、「乳酸菌やビフィズス菌を含む他の商品でもいいのでは?」と思うかもしれませんね。
いいんです!
でも、それだけではヨーグルトに及ばないと付け加えておきましょう。
例えば、キムチなどの漬物には植物性乳酸菌がたくさん含まれています。
しかし、これらには菌数の規格がなく、どれだけ含まれているかは保証の範囲ではありません。
また、塩分を多く含むため、これを大量に摂取するのは健康に対して悪影響となる可能性が高いです。
一方のサプリメントには、大量の菌体が含まれています。
含有量も明記されていることが多いので、その点は安心です。
ただし、ヨーグルトのように食事代わりに食べて腸の蠕動運動を促進するには、サプリだけでは不十分ですし、乳成分のような善玉菌のエサも他に摂らなければなりません。
つまり、サプリメントで便秘改善をしようとするなら、水分の補給や他の栄養素も摂る必要が出てくるのです。
ただし、中には善玉菌のエサになるような成分を含んだものもありますから、サプリを賢く選んで欠点を補うこともできます。
そうそう、水はたっぷり摂ってくださいね。
まとめ
以上、ヨーグルトで便秘を改善するためのノウハウを解説してきました!
ポイントは
- 毎日200㎖以上摂り続けること。
- タイミングにはこだわらないが、腸を活発にするには朝がおすすめ
- 2~4週間続けても効果がない場合はヨーグルトを替えるか、他の方法をプラスする
ということ。
腸内環境が整えば、必ず便秘は改善できます!
ただし、その改善にかかる時間は人それぞれ。少し気長に付き合うことも大切です。
そうそう、下剤を使う人もいるはずですが、あまり全部出してしまうとせっかく増えてきた善玉菌も便として捨ててしまうことになるので、あまり強力なタイプは使わない方がいいと思います。
前述の通り、難消化性物質には下剤と同様の効果もありますから、量をみながら摂ることで辛いときには役に立てられますよ。
くれぐれも下痢にならないように気を付けましょう。
正しい乳酸菌の知識を学び、あなたに美容健康ライフを!!!