「ヨーグルトはお腹の調子を整えてくれるからダイエットに効果がある」…
そう言わているけれど、意外とカロリーあるし、「本当なの?」という声も聞こえてきます。
ヨーグルトがダイエットに効果があるのは事実。
「それなら低脂肪タイプを選べばいいんじゃない?」と考える人も多いと思いますが、そこには思わぬ落とし穴が…。
今回は、ダイエット目的でヨーグルトを食べる人に注意してほしい「上手な選び方」を実例付きでお教えします!
美容と健康によいヨーグルトがダイエットの妨げにならないよう、賢く選びましょう!
今回はカップ型(個食)編ですが、大容量プレーンタイプも解説していますので、そちらの記事も併せてご覧ください♪
脂肪『ゼロ』に騙されるな!!ダイエット向けヨーグルトの選び方《大容量プレーン編》
売り上げ上位のヨーグルト成分比較
はじめに、ヨーグルトの栄養成分を見てみましょう。
ここでは2016年春の売り上げを元に、人気のカップ型(個食用)ヨーグルトを5種類取り上げてみました。
商品名 | プロビオR-1 ヨーグルト |
プロビオ ヨーグルトLG21 |
森永アロエ ヨーグルト |
ブルガリアヨーグルト ブルーベリー&4種の味わいベリー |
雪印メグミルク 牧場の朝 ヨーグルト |
栄養成分 | 112gあたり | 112gあたり | 118gあたり | 75gあたり | 70gあたり |
エネルギー | 89kcal | 89kcal | 101kcal | 61kcal | 64kcal |
たんぱく質 | 3.9g | 3.9g | 3.9g | 3.1g | 2.5g |
脂質 | 3.4g | 3.4g | 2.6g | 1.3g | 1.5g |
炭水化物 | 10.8g | 10.9g | 15.6g | 9.2g | 10.2g |
ナトリウム | 52㎎ | 49㎎ | 50㎎ | 39㎎ | 33㎎ |
カルシウム | 138㎎ | 134㎎ | 130㎎ | 86㎎ | 77㎎ |
乳脂肪分 | 3.0% | 3.0% | 2.0% | 0.2% | 2.0% |
植物性脂肪分 | 1.3% | ||||
使用菌種 | ブルガリア菌R-1株 | LG21乳酸菌 | ? | ブルガリア菌2038株
サーモフィラス菌1131株 |
? |
特記事項 | ステビア使用 | ステビア使用 | アロエステロール配合 | ココナッツオイル、ステビア使用 | 最安値!?
1個30円台 |
お馴染みの商品が出そろいましたね。
『R-1』と『LG21』は機能性ヨーグルトの優等生、『森永アロエ』と『ブルガリア』はデザート的、『牧場の朝』はファミリー向け定番…といったところでしょう。
栄養成分は本来100gあたりで比較するのが良いのですが、カップ型ヨーグルトの場合は食べ残ししないと思いますので、1個完食した時の成分値で比べてあります。
内容量に違いがあるので、注意してくださいね。
それから…
売り上げ上位に『牧場の朝』が入っていることに疑問を持つ人もいるかもしれませんが、実はこの商品、3個パックで驚異の約100円というスーパーマーケットでの超人気商品なんです。
年間通してみても必ず上位に食い込んでくる商品なんですよ。
主婦の強い味方ですが、若い男性にも人気があるとかで、コンビニでも見かけることがあります。
世代を問わず、根強いファンがいるわけですね。
食べてみると、昔懐かしい味わいがあります。
いわゆる“機能性”はありませんが、ちゃんとしたヨーグルトなのでプロバイオティクス効果に問題ありません。
ヨーグルトのすっぱさが苦手な人は試してみるといいですよ。
何に着目して選ぶべきか?
さて、本題に入りましょう。
ダイエットの面から考えると、注意するべき栄養成分として着目するのは「カロリーの大きさ」と「脂質の量」ですよね。
そして、ダイエットに詳しい人には常識になりつつある「体脂肪になりやすいのは糖質」という体内のメカニズム。
この点を踏まえると、「糖質の量」もポイントになるわけです。
それではこれらの成分を、どのように読み解けば良いのでしょうか?
詳しく分析してみましょう。
カロリーは脂質に大きく左右される!
一般に「カロリー」といいますが、厳密には「熱量」または「エネルギー」と言い、カロリーはこれを表す単位です。
パッケージの栄養成分表示では「エネルギー」と表記することが多いのですが、ここではわかりやすく「カロリー」と表現しますね。
では、「1kcalとは何なのか」と言うと、水1kgを1℃上昇させるのに必要な熱量のことなんです。
ですから、「カロリー」とは、どれだけの熱を作り出せるかを表しているのです。
熱を作り出さなかった分は、残りとして体に蓄積される=太る…ということですね。
この点から言うと、カロリーが小さい(少ない)方がダイエット向きということになります。
まるまる1個食べてもカロリーが少ないのは、『ブルガリア』『牧場の朝』ですね。
内容量が少ないということもありますが、摂取カロリーを抑えたいときはこれらの商品が良いでしょう。
ただし!!
カロリーは分析値そのものではなく、3大栄養素である「たんぱく質」「脂質」「炭水化物」を分析した結果から算出されたものです。
たんぱく質と炭水化物は1g当たり4kcal、脂質は9kcalとして換算されています。
脂質は換算係数が9と大きいですから、脂質が少ないとカロリーもグーンと減ります。
また、たんぱく質が3gでも炭水化物が3gでも計算上は同じ12kcalということになります。
炭水化物については後述しますねが、この辺りが「カロリー」の落とし穴。。。
きちんと他の成分も見ることをおすすめします。
脂質は「由来」に注意せよ!
前述のように、カロリー値を大きく左右するのが「脂質」です。
このため、脂質はダイエット中の人たちの目の敵(?)にされることが多いですね。
特に乳製品に含まれる乳脂肪は飽和脂肪酸に分類され、コレステロールを増やす原因になると言われています。
しかし、日本酪農乳業協会(Jミルク)が「牛乳・乳製品をよく摂る人は、メタボの割合が低い」とする調査結果を学会誌に発表しているのです。
“メタボ=高コレステロール値の人”とも言えるので、牛乳がコレステロールを増やすという通説とは逆のエビデンス(証拠)が学会発表されたわけですね。
詳しくはこちらの記事をどうぞ↓
ヨーグルトは食べ過ぎると太る?太らない?真実はコレ!!
乳脂肪の善悪はともかくとして、脂質の量が少なければカロリーが下がるのは事実。
摂取カロリーが気になる人は低脂肪タイプを選ぶべきということです。
今回紹介しているものはどれも低脂肪を謳ってはいませんが、脂質の量に差が見られますね。
これは原料の乳として何を使っているかに関わっています。
乳原料は生乳、全脂粉乳、脱脂粉乳、乳タンパクなどありますが、生乳を除き、まとめて「乳製品」と表示することが法律で許されています。
ですから、表示されていなくても、原料として脱脂粉乳を使っている商品ほど脂質の含有量は下がる傾向にあります。
もっと極論をいっちゃいます。
乳脂肪悪説(?)を気にするなら、栄養成分よりも、むしろ囲み表示にある「乳脂肪」の数値や原材料表示を見るべきなんです。
…というのは、栄養成分表示にある「脂質」とは、どんな種類の脂質(例えば体に良いといわれるオメガ脂肪酸)であっても、脂質として分析され、表示されているにすぎないからです。
ダイエットに詳しい人なら、同じ脂質でも燃焼されにくい脂質や代謝されやすい脂質などがあることをご存知でしょう。
そう、「脂質」と一口に言っても、体の中の代謝経路は異なるのです。
ですから、脂質の数値や、それを換算して表されるカロリーに惑わされず、それを構成している脂質が何なのかを把握しなければ、本当は意味がないんです。
今回の例でいえば、『ブルガリアヨーグルト』がまさにソレです。
よく見ると、「乳脂肪分0.2%」「植物性脂肪分1.3%」となっていますね。
栄養成分の脂質は1個あたり1.3gとなっていますが、体によくない(かもしれない)乳脂肪は、このうちのたった0.2%だけなんです。
さらに、「じゃあ、植物性脂肪分は何由来なの?」…と原材料表示を見ると、「ココナッツオイル」とありますね。
なんと!
モデルのミランダ・カーをはじめ、セレブの愛用者も多いというココナッツオイル由来の脂質だったんですね。
ココナッツオイルにもグレードがあるので、表示だけではどれに該当するオイルかはわかりませんが、乳脂肪よりも安心(?)というわけです。
そして、もう一つ。脂質には大事なポイントがあります。
それは、「おいしさ」に直結する成分であるということ。
人間の味覚は脂質のような“こってり感”を「おいしい」と捉える本能があるのです。
これは飢餓状態に陥らないための自己防衛でもあります。
ですから、ヨーグルトにダイエットとおいしさを求める人は脂質の量が標準(3%前後)に近くて、できれば代謝しやすい種類の脂質を選ぶといいですね。
もちろん、学会発表の通り、乳脂肪でも太る原因にならないかもしれませんよ♪
炭水化物が少ないヨーグルトがダイエットに勝利する!
炭水化物とは「糖質」と「食物繊維」の合計ですが、ヨーグルトの場合、食物繊維を強化した商品を除けば「炭水化物=糖質」といえます。
(食物繊維強化食品の場合は、通常「炭水化物」表記ではなく、「糖質」と「食物繊維」に分けて表示されています。)
この「糖質」、生命の維持に欠かせない“ブドウ糖”などの元となる栄養素ですが、ダイエットにおいてはほとんど悪者です。
なぜなら、最近の研究で“脂質よりも糖質の方が体脂肪に変化して蓄積しやすい”ことが明らかになったからです。
「低糖質ダイエット」はその理論に基づくダイエット法の最たるもの。
食後の糖質から生じるブドウ糖の急激な増加が、体脂肪の蓄積に関与するインシュリンの分泌を大きく左右するからなんですね。
ここで本題に戻りますが、ヨーグルトの栄養価でいちばんウェイトがあるのは、炭水化物。1個の容量や商品にもよりますが、他の栄養価と桁が違うものもあります。
問題視されるべきは、実は炭水化物というわけです。
そこで、本サイトが言いたいのは、
「ダイエットするなら低脂肪タイプよりも低糖タイプを選べ!!」
ってことなんです。
つまり、体内での栄養素の挙動を考えるなら、カロリーや脂質ではなく、炭水化物(糖質)の方が、ずっと肥満に直結するからです。
だって、糖質そのものなら4kcalでも、体脂肪に変わった後で考えれば9kcalですからね。
最終的に2倍以上のエネルギーを持つ可能性があるのに、食品中の“糖質”という状態でエネルギー換算した数値が独り歩きするのは、実態から考えればかなり乱暴な話であることに気付いていただけるハズです。
ですから!!
ダイエット中の人は、カロリーや脂質の量よりも炭水化物の量を必ずチェックしましょう。
ヨーグルトの場合、炭水化物は乳製品由来の乳糖と、おいしく食べるための“甘さ”…すなわち砂糖や、果肉入り商品ならフルーツ由来の糖類などが反映されたものです。
残念ながらフルーツ由来のものはどうにもなりませんが、炭水化物の大部分を占める砂糖などは減らすことができます。
そう、甘味料の利用です。
甘味料には糖質系と非糖質系があり、前者はオリゴ糖、トレハロース、糖アルコール(キシリトール、エリスリトールなど)で、後者はステビア、アスパルテーム、スクラロース、アセスルファムカリウムなどがあります。
甘味料としてはエネルギーがゼロか、あっても極僅かなものが用いられるので、その分、炭水化物の量を減らすことができます。
こういった商品は「低糖タイプ」と表示され、結果的にカロリーも低めの商品になります。
甘味料の中には人工的に合成されたものもあるので、気にする人もいるかもしれません。
でも、人工甘味料は砂糖の数百倍の甘さをもつものが多く、中には600倍のものあります。
砂糖なら1個当たり10g使うとして、人工甘味料なら0.017gで済む計算です。
この場合、カロリーは約40kcalマイナスにできるわけです。
人工甘味料を弁護するわけではありませんが、体脂肪に変わる健康リスクと、認可された添加物の健康リスクをどう考えるか、見つめ直しても良いかもしれませんね。
ヨーグルト業界でも健康志向の高い商品は低糖タイプであることが多く、今回取り上げた商品の中でも『R-1』や『LG21』などはステビアを使っています。
ステビアは植物由来の甘味料ですから、安心という人も多いかもしれませんね。
見てみると、脂質はそれほど低くありませんが、炭水化物の量は少なめであることがわかります。
機能性乳酸菌で健康をサポートしたいという人に配慮した原材料の選択であるといえるでしょう。
まとめ
今回はヨーグルトでダイエットをサポートするときに、何をどう選べば良いかという点に絞って、実例をあげて見てきました。
効果的にヨーグルトを利用したい人は、
炭水化物(糖質)の数値
脂質の由来
この2つを必ずチェックして購入しましょう。
そして見た目のカロリー表示に騙されないことも大切です。
ヨーグルトは栄養成分表示が義務づけられていますが、残念なことに、それが示すものが必ずしも私たちの体内での挙動と合致しているとは限りません。
カロリーの低い商品が脂質を下げた結果のもので、炭水化物量に変化がないなら、ダイエットには意味がないかもしれないということです。
カロリーが多少高くても、炭水化物(糖質)を低減したものや脂質の種類を考慮して選んだ方が、ダイエット成功への近道なんですね。
本サイトで何度も取り上げているように、ヨーグルトに含まれる乳酸菌はダイエットや健康の大きな味方です。
ぜひ毎日摂取してほしい食品の1つです。
でも、ダイエットをしている人の中には見た目の数値に振り回されて、もしかしたら残念な選択をしているケースも多いのではないかと思います。
今回紹介したポイントを押さえて、ヨーグルトを賢く選んで美と健康を手に入れていきましょう!
正しい乳酸菌の知識を学び、あなたに美容健康ライフを!!!