美容と健康に定評のあるヨーグルト。
最近では食べるだけでなく、美肌に効果があるとハリウッド女優の間で人気になった「ヨーグルトパック」も話題になりました。
プチプラで手軽にでき、完全無添加の安心できる素材ということもあって、試した人もいるかもしれません。
そこで、今回は肌トラブルの定番“ニキビ”にスポットを当ててヨーグルトの効果を特集します。
最適な使い方や注意点など「食べる」「塗る」の両面から詳しくお伝えします。
ニキビ改善のための注意
はじめに、注意点について触れておきます。
効果を期待してやったのに、ニキビが酷くなったら意味がありませんからね。
実は、ニキビ対策にヨーグルトを使うには、知っておいた方がいいポイントが2つあります。まずはこれを確認してトラブルを防ぎましょう。
アレルギーを起こさないか確認すること(パッチテストの実施)
食べる場合はもちろん、塗る場合にもアレルギー反応を起こさないか確認することが大切です。乳アレルギーの人は絶対に使用しないでください。
また、パックで利用する場合は、ヨーグルト以外にも小麦などの食材を使用します。
乳に対するアレルギーはなくても、添加した素材に反応することもありますので、実際に試したい配合でのパッチテストを行うことをお勧めします。
そのまま10~15分放置したら静かに洗い流し、観察しましょう。
多少の赤みはヨーグルトパックの効果なので問題ありませんが、皮膚が盛り上がったり、かゆみや違和感がある場合には使用中止にしてください。
体質の影響
アレルギー以外にも人には生まれ持った体質があります。同じ乳製品を摂取しても、体質によって好影響・悪影響と結果が異なることがよくあります。
具体的な影響については各項で触れますが、乳製品に含まれる成分への感受性や代謝に関係する酵素などに個人差があるためで、正直なところ、効果の有無は試してみないとわからないのが実情です。
ですから、あるサイトでは“効果あり”と書かれていても、別のサイトでは“悪化した”となるのは、当然のことなのです。
でも、もしかしたら、ヨーグルトの利用はアナタのニキビにとって効果バツグンの方法かもしれません。
…というわけで、アレルギーがないなら、まずは一度試してもらいたいと思います。
ニキビができるメカニズム
なぜ「ヨーグルトがニキビに効果があるのか」を説明する前に、ニキビができるメカニズムを知っておきましょう。
そもそも、ニキビは1つの原因によってできるものではありません。
ニキビは皮脂の分泌が多すぎたり、毛穴の出口が詰まったりしたところに、ニキビ菌(プロピオニバクテリウム アクネス)が繁殖した結果、炎症を起こしてできるものです。
ニキビ菌は誰の肌にでもいるので、この菌自体が悪いというわけでなく、繁殖の条件が揃ってしまうところに原因があるのです。
その条件には、思春期独特のホルモンバランスなども関係しているので、ニキビを作らないというのはとても難しいことです。
でも、なるべくニキビ菌繁殖の条件を整えないようにすることはできます。それが、ヨーグルトのもつ効果なのです。
ヨーグルトを「食べる」
これは、ニキビ改善の基本=便秘の解消に効果があります。
ご存知の通り、ヨーグルトには科学的に証明されたプロバイオティクス効果があるからです。
ヨーグルトを食べると自分の腸内に棲んでいるビフィズス菌などの善玉菌が活性化し、腸内環境を整え、排便を促進し、便秘を改善してくれる…ということですね。
食べて効く その理由
では、なぜヨーグルトを食べて便秘を改善することがニキビに効くのかというと…便秘とは老廃物を排出する手段だからです。
ニキビができる条件の1つに、“毛穴が詰まる”というものがありました。
毛穴が詰まる原因には、肌の新陳代謝で生じた老廃物が運び出されず、そのまま皮膚に残ってしまうことがあげられます。
正常なら、老廃物は血流にのって皮膚から体内に戻り、最終的には腸から便となって体外へと捨てられます。
しかし、便秘をしていると腸内の老廃物が排出できずに溜まっているため、血液中の老廃物を排出することができなくなります。
こうなると、肌で生じた老廃物は血液中にすら運び出すことができません。満員電車に乗れないのと同じ状態になるわけですね。
こうして便秘によって肌に蓄積された老廃物が毛穴を詰まらせる原因にもなるのです。
また、肌の状態が悪いと、保護しようとして過剰に皮脂を分泌する場合があります。
これも便秘などによって肌の新陳代謝がうまくいかないと起こることで、結果的に過剰な皮脂がニキビを誘発することにつながります。
肌の適切な新陳代謝のためには、便秘を解消して老廃物が速やかに回収されるよう、腸内環境を整えてやることが重要というわけです。
食べて効く その方法
毎日欠かさず食べる。これだけです。
人の腸内の善玉菌は生きています。ですから、エサをやらなければなりません。そのエサがヨーグルトなのです。
ヨーグルトには乳酸菌のほか、乳糖やアミノ酸、各種ビタミンなどが豊富に含まれています。このどれもが、アナタのお腹にいる善玉菌の大好物なのです。
善玉菌は微生物なので分裂速度も速く、1個が2個、2個が4個、4個が8個、16個、32個、64個、128個…と、どんどん増えていきます。
ですが、これは条件が揃っていればの話。
そして、3~7日間で死んでしまいます。
つまり、これだけの激しい生命活動を支え、寿命が来てもある程度の菌数を維持できるためのエサと環境が必要なのです。
そしてその条件を満たす最も簡単な方法が、ヨーグルトを毎日食べることなのです。
できれば1日100gは食べましょう。
多くのヨーグルトメーカーが製品1個を数週間以上継続して摂ることで、便秘の改善効果があったことを報告しています。
ただし、糖分は控えめに!
糖分は体内で最も脂肪に変わりやすい物質で、その結果、人によっては脂質の分泌が過剰になることもあります。
甘いものを食べると「太りやすい」とか「ニキビがすぐできる」といった体質の人は、気を付けましょう。
もちろん、糖分と併せて脂肪も気になるなら、無脂肪タイプをお勧めします。
ヨーグルトの便秘改善効果については過去記事で取り上げていますので、こちらをどうぞ!
ヨーグルトで便秘解消するためのたった3つのチェックポイント
ヨーグルトを「塗る」
冒頭で触れた「ヨーグルトパック」。
古くはインド・スリランカ発祥の『アーユルヴェーダ』やペルシャなどでも取り入られてきた美容法です。
塗って効く その理由
ヨーグルトパックには保湿・新陳代謝促進・美白などの美肌効果のほかに、ニキビを抑制する2つの作用があります。
1つは、ヨーグルトに含まれる亜鉛がニキビ菌を抑制するというもの。
亜鉛には菌の増殖を防ぐ効果があります。実際に、食品が触れる“まな板”などの抗菌成分として亜鉛を配合している商品は珍しくありません。
自家製パック?としておなじみのキュウリに含まれる亜鉛の2倍に相当する0.4㎎(100gあたり)がヨーグルトには含まれています。
亜鉛の大腸菌や黄色ブドウ球菌に対する静菌効果は16ppm程度ですから、ヨーグルト中の亜鉛濃度は効果が期待できる量というわけです。
もう1つは、ヨーグルトにはピーリング効果があるということ。
実は、ヨーグルトには市販のピーリング剤で使われるのと同じAHA(フルーツ酸:アルファヒドロキシ酸)が含まれているんです。
AHAにはマイルドなピーリング効果があって、肌の老廃物を取り除き、ターンオーバーを促す効果があるのです。
これによってニキビ菌の好む環境をなくすことができるので、繁殖を抑えることができます。
ヨーグルトに含まれる亜鉛とAHAの相乗効果によって、ニキビ菌の増殖を抑制し、ニキビを改善することができるというわけです。
なお、ヨーグルトパック後に赤みが出る場合がありますが、これはピーリング効果や塗る・洗い流すといった刺激に対して生じている可能性があります。
赤みがすぐに引くようでしたら問題ありませんが、違和感があるようでしたらパックはやめておきましょう。
塗って効く その方法
ニキビにヨーグルトを塗る。これだけです、笑。
ニキビに直接ヨーグルトを塗るだけでも大丈夫。
垂れるのが心配ならコットンに含ませてもいいですし、小麦粉を混ぜてお好みの固さに調整すれば、たっぷり塗っても垂れません!
さらに、ニキビの改善効果をグーンとアップさせる方法が!
それは抹茶を混ぜること。
ぜひ次のレシピを試してみてください。
レシピ
プレーンヨーグルト(無糖) 大さじ1杯 小麦粉(薄力粉) 大さじ1杯 抹茶 小さじ1~2杯
5~10分たったら、水で優しく洗い流してくださいね。
抹茶に含まれるカテキンには殺菌効果があるので、亜鉛の効果に加え、さらにニキビ菌を減らしてくれます。
抹茶の代わりに緑茶ティーパックの中身などの細かいものならOKです。
小麦粉の代わりに米粉を用いて、くるくるマッサージするとピーリング効果も高まります。
口に入っても安心なヨーグルトパックなら、口元にできるニキビにも使えますね。
ただし、必ずパッチテストをしてください。
また、ピーリング効果があるので、パックのやりすぎは肌を傷めます。週に1~2回にとどめましょう。
作り置きも厳禁です。せっかくの自然派パックですから、フレッシュな作りたてをお肌に塗ってあげましょう。
ヨーグルトパックについての詳細は過去記事をご覧ください。
ニキビの他にもお肌の悩み別レシピを紹介しています♪
ヨーグルトパックで肌年齢-21歳!? 効果別ヨーグルトパックの作り方
まとめ
体の中からも外からもニキビの改善効果があるヨーグルト。
”向き・不向き”があるのも事実ですが、体質が合うなら効果が十分期待できます。
手軽に入手でき、継続しやすい素材であることも魅力ですが、腸内環境の改善により免疫力のアップなど嬉しいオマケもありますよ。
お気に入りのオリジナルレシピで楽しみながら、食べたり塗ったりしてニキビケアをしていきましょう。
正しい乳酸菌の知識を学び、あなたに美容健康ライフを!!!