乳酸菌がアレルギーに効果があることを知っている人は多いと思います。
花粉症の季節にはヨーグルトやサプリメントをよく見かけますよね。
実は乳酸菌ってアトピー性皮膚炎の改善にも効果があるって知っています?
この記事では、アトピー性皮膚炎に対して乳酸菌が効く理由や、その摂り方について詳しくお伝えします。
アトピーの実態
花粉症など年代を選ばずに発症するアレルギー疾患もありますが、食物アレルギーや小児ぜんそくなど、子供ほど発症率が高いものもあります。
アトピー性皮膚炎(以下、アトピー)もその一つで、日本アレルギー学会によると、3歳児前後の13%をピークに、小学校1年生で約12%、6年生で約10%、20代は10%、30代は9%、40代は4%、50代は2%と年齢に伴って減少傾向にあります。
しかし、最近は大人になっても治癒しないケースが増えているんですよ。
高齢であるほど重症者が増すといわれてるし、決して軽視できない疾患です。
痒みのために熟睡できなかったり、湿疹のために服装にも気を遣ったり、様々な弊害が生じます。
医師の指導の下に塗り薬・飲み薬を使用している人も多いと思いますが、ステロイド剤を懸念する声は未だに多く、服薬によって生じる眠気も厄介ですね。
薬の利用はもちろん大切なことですが、もっと根本的に改善できる方法ってないのでしょうか?
「皮膚を清潔に保つ」「保湿する」「部屋の掃除をする」…アトピーの患者さんの多くが日常生活で気をつけていることです。
だけどこれは“アレルゲンの除去”と“肌を守る”ことであって、
アレルギー体質の根本の改善ではないですよね。
体質から改善していきましょう?
アトピー体質を改善する乳酸菌
アトピーのようなアレルギーの発症には免疫が関わっていることをご存知ですよね。
免疫は、カラダへ侵入してくる有害な物質を取り除くために働くものです。
Th1(感染予防因子)と、Th2(アレルギー因子)という2つの細胞があり、お互いにバランスを取りながら免疫をコントロールしています。
しかし、バランスがくずれた状態でアレルゲンが体内に侵入すると、Th2系の過剰な反応が起きてしまうことがあります。
このバランスのくずれが、過剰な防衛反応を引き出して“アレルギー”が発症するのです。
最近の研究では、このバランスの改善に乳酸菌が関与することがわかってきました。
そして、アトピーに効果がある乳酸菌も見つかったのです。
中でも、確かな科学的根拠があって、製品化されている入手しやすい乳酸菌を紹介しましょう。
《アトピー改善効果がある乳酸菌》
菌種名 | 製品名 |
ビフィズス菌LKM512 | メイトー 増加型ビフィズス菌 |
クレモリス菌FC株 | フジッコ カスピ海ヨーグルト |
アシドフィルス菌L-92株 | カルピス L-92乳酸菌 |
効果について研究結果を交えながら見ていきましょー。
ビフィズス菌LKM512
この菌株は大人でアトピーに悩んでいる人におススメの乳酸菌です。
なんと『成人型アトピー性皮膚炎患者』の改善に効果があったとして、その研究結果がヨーロッパで最も権威のあるアレルギー学会誌に掲載されたんですよ。
こんな内容が掲載されました。
症状が中程度の成人型アトピー性皮膚炎患者に、 1 日100 gのLKM512含有ヨーグルトおよびプラセボ(同菌を含まないニセモノのヨーグルト)を4週間摂取してもらい、 摂取前・後に糞便と血液を分析しました。
その結果、この菌株を摂取すると、多くの人の「かゆみ」が軽減し、見た目が改善されたそうです。
また、成人型の患者は健常人と異なる腸内菌叢を形成しており、腸内の“ポリアミン濃度”が低いことが確認されています。難しくなってきましたね~(;・∀・)
ポリアミンとは細胞分裂やタンパク合成など成長に関わる物質ですが、大腸内のポリアミン濃度が減少すると腸の防御機能が低下し、アレルゲンが体内に侵入しやすくなります。
ポリアミン例
このせいでアレルギー症状が起こるという流れですね。
ところが、LKM512含有ヨーグルトを摂取すると、アトピー患者の腸内ポリアミン濃度が上昇することが分かったのです。
さらに、免疫バランスがTh1 型(反アレルギー型)へシフトしたことも確認されています。
腸から吸収されたポリアミンが血中に移行して血中のリンパ球に作用し、Th1 型にシフトさせた可能性が示唆されています。
この菌株の摂取によってアレルゲンの侵入機会を減少させるのと同時に、免疫バランスを反アレルギー型に改善したため、アトピーの症状が軽減した、と考えられるわけですね。
アトピーの改善に高い効果が期待できますね。
ヨーグルトもありますがそれよりも安く、継続しやすいサプリメントの方が良いおすすめです!
絶対継続できるという鋼の意思を持っている方はヨーグルトで美味しく頂きましょう。
ビフィズス菌LKM512による研究報告結果
LKM512ヨーグルトはこちら
クレモリス菌FC株
独特の粘りがあるヨーグルトとして有名な『カスピ海ヨーグルト』。
当サイトでは食べるヨーグルトジャンルで一番推している推しヨーグルトです。
(過去記事:カスピ海ヨーグルトの効果・効能と選ばれる理由)
その粘りには多くの健康効果があることが知られています。
アトピーに関しては、『カスピ海ヨーグルト』のメーカーであるフジッコと大阪府立大学大学院との共同研究により、数々の報告がなされています。
ここでは2014年に日本農芸化学会と日本食品科学工学会にて発表された情報を紹介しましょう。
粘り成分(EPS)をアトピーのマウスに投与する実験を行ったところ、アレルギーの中心となる炎症性細胞の数が減少し、免疫システムを改善して炎症を抑制させ、免疫物質の量を増加させることが確認できました。
このことから、EPSにはアトピーを改善する効果があることがわかりました。
さらに、EPSを作らない変異FC株を作製して、この菌で作ったヨーグルトをアトピーのマウスに投与すると、
皮膚の肥厚化(炎症により腫れて厚くなるアトピーの症状)や血中IgE(アレルギーの指標で、高いほど発症)の上昇が抑制されることもわかりました。
これらの結果から、FC株で作製したヨーグルトには、粘り成分EPSやFC株の菌体成分など複数のアトピーを改善する物質が含まれていることがわかりますね。
フジッコの『カスピ海ヨーグルト』は自宅でも手軽に作れるので、大量消費してもおサイフに優しいですよ。
カスピ海ヨーグルトとアトピーについて
カスピ海ヨーグルトとアトピーについて2
アシドフィルス菌L-92株
カルピス社が開発した乳酸菌株で、サプリメントとして販売されています。
この商品の一番のポイントは、『アレルギー物質27品目フリー』という点です。
どういうことかというと、アレルギー体質の人はアトピーなどの疾患だけでなく“食物アレルギー”も持っている場合があります。
現在、指定されている食材は27品目ですが、この中には“乳”が含まれていて、いわゆる“牛乳アレルギー”の人はどんなに乳酸菌の効果が高くても、それが含まれているヨーグルトを食べることはできません。
また、多くの乳酸菌サプリメントは培養段階で乳原料を使っているので、製品中にも乳原料が残っていることがあり、服用できないものも多いんです。
牛乳アレルギーの人でも安心して摂れる乳酸菌が“L-92”なんですね。
花粉症や鼻炎など様々なアレルギー疾患に対して効果が確認されていますが、ここではアトピーについての研究結果を紹介します。
アトピーの子供を対象に『L-92乳酸菌』を摂ってもらい、その前後で皮膚の観察や血液検査をしたところ、4週間ほどで90%の子供に症状の緩和が見られ、薬の使用量を減らすことができたそうです。
別の子供たちを対象にした研究では、血液中に過剰に含まれていた白血球(多すぎるとアレルギー反応を促進)の数が低下したことも確認されたそうです。
サプリメントというと子供には飲みづらい印象がありますが、本品には「こども用」があり、“ヨーグルト味”“ぶどう味”と風味が付けられていて、噛んでも舐めてもOKです。
これなら小さなお子さんもラムネ感覚で抵抗なく摂取できますね。
「こども用」にも大人用と同じ量のL-92株が含まれているので、大人が摂取しても問題ありませんが、何故か大人用もあるので一応一緒に紹介しておきます。笑
乳酸菌の摂り方
具体的にどうやって摂ればいいのでしょうか?
食品なので、いつ摂っても大丈夫。朝でもおやつでも、忘れないように毎日摂れる時間帯を決めておくと安心ですね。
『メイトー 増加型ビフィズス菌LKM512』ヨーグルトなら1日1個、サプリメントは目安量(1日2粒)で効果が得られています。
『フジッコ カスピ海ヨーグルト』なら100g程度からはじめ、様子を見ながら加減して効果を期待しましょう。
だいたいどの菌株も4週間くらいで効果が表れるようです。毎日コツコツ、これが基本ですよ。アトピー改善のために頑張りましょう!
乳酸菌の健康への効果はプロバイオティクスとして様々に期待されています。
中でも、腸内菌叢の改善による免疫系への影響は大きく、これと関連してアレルギー疾患改善への効果も次々に研究されている状況です。
医療機関の受診はもちろんですが、自分でできる対策として“乳酸菌”を取り入れてみるのも1つの選択肢だと思います。
アトピーはアレルギー性の体質を持つことにより発症しやすく、親から子へと遺伝しやすい疾患といわれています。親子でアトピーという家庭も少なくないことでしょう。
自分自身のためにも、子供のためにも、身体の中からアレルギーを改善してみませんか?
正しい乳酸菌の知識を学び、あなたに美容健康ライフを!!!