『プラズマ乳酸菌』を知っていますか?テレビCMでヨーグルトを見たことがあるかもしれませんね。(松坂桃李さんがでているやつです)
このヨーグルトのパッケージには「まもるチカラの乳酸菌」と書かれています。
「あー、いまどき乳酸菌で免疫力アップなんて珍しくないよね…」
そう思った乳酸菌事情に詳しい方こそ必見!!
他の乳酸菌の免疫アップ作用を“実働部隊のみの攻撃”とするなら、プラズマ乳酸菌は“司令部以下の総攻撃”と作用の仕方が大きく異なるからです。
この記事では、他の乳酸菌では得られない『プラズマ乳酸菌』の効果について、効果や特徴などわかりやすくお伝えします。
いちおーCMを貼っておきます!ご覧下さい。
それではいってみましょう!
プラズマ乳酸菌の効果
冒頭でプラズマ乳酸菌は免疫アップの作用機構が他の乳酸菌とは違うよーと書きました。
もう少し具体的にしましょう。
多くの乳酸菌 ⇒ NK細胞の活性化
プラズマ乳酸菌 ⇒ pDCへの作用によるNK細胞・キラーT細胞・B細胞・インターフェロンの活性化
こんな違いがあります。
もちろん他の乳酸菌とは期待できる効果にも違いがあります。
プラズマ乳酸菌に期待できる効果
- 風邪症候群・インフルエンザ症状の軽減
- ロタウイルス感染症状の緩和効果(マウス)
- アンチエイジングと寿命延長効果(マウス)
多くの乳酸菌がNK細胞にしか作用しないのに対し、プラズマ乳酸菌は免疫機構全体に作用していることがわかります。
(関連記事:明治プロビオヨーグルトR-1でインフルエンザ予防)
なぜプラズマ乳酸菌でこんな効果が?
プラズマ乳酸菌が免疫システム全体を活性化させるのは何故か。
答えは、プラズマ乳酸菌が作用する細胞“pDC”にあります。
ちょっと小難しい話になりますが、お付き合いください。
まず、ただの“DC”についてお話しします。DCとは“樹状細胞”のことで、この細胞が病原微生物の侵入にいち早く気づき、抗原を獲得(何が敵なのかという目印を見つける)することで免疫が機能します。
(DCとT細胞:東大医学部付属病院サイトより引用)
東京大学医学部付属病院でもDCによる治療が行なわれていますから、DCが免疫に関してどれだけ重要かわかりますね。
DCにはいくつかありますが、そのうちの1つ(サブセット)がpDC(プラズマサイトイド樹状細胞)です。
pDCはKIRINの言葉を借りれば“免疫細胞の司令塔の役割”を果たしています。
( 画像はイメージです 笑 )
免疫細胞にはいくつかの役割がありますが、同時に複数の免疫細胞へ指示が出せるのがpDCです。
pDCが活性化すれば“免疫細胞の全ての種類を活性化できる”ため、“総合的なウイルス感染防御システムがパワーアップする”というわけです。
このpDCを活性させるのが、世界で初めてその作用を確認された『プラズマ乳酸菌(Lactococcus lactis JCM5805)』です。
前項のように、プラズマ乳酸菌がNK細胞だけでなく、他の細胞の活性化を促せたのはpDCに作用するからだったんですね。
この乳酸菌によりpDCが活性化することが、抗ウイルス物質の放出量やpDCの細胞表面マーカーを測定することにより確認されています。
効果の科学的根拠
それでは、プラズマ乳酸菌によって得られる効果の科学的な根拠を紹介しましょう。
かぜ症候群・インフルエンザ症状の軽減
18歳~39歳までの健康な男女657名を、プラズマ乳酸菌を摂取していないグループと摂取グループに分け、冬の12週間、風邪やインフルエンザ様疾患の自覚症状が生じたかの調査を行ったそうです。
結果、摂取していないグループ35.1%、摂取グループ28.8%と、自覚症状に有意差は見られませんでした。
確かに、プラズマ乳酸菌を摂取して、風邪やインフルエンザにかかりにくくなった…と言えるほどの差ではないですよね。
では、どこに効いたのかというと、その症状の軽減に対して効果があったのです。
風邪やインフルエンザの症状である上気道の炎症(“喉の痛み”や“咳”)は辛いですね。
プラズマ乳酸菌には上気道の炎症を軽減する効果があり、特に重症者では“喉の痛み”を半減、“咳”を7割も減少させたそうです。
喉や咳の症状が長引きやすい人は、試す価値アリですね。
ちなみにこの実験結果は日本公衆衛生学会で発表されたものです。まぁ正しいでしょう。
ロタウイルス感染症状の緩和効果(マウス)
ロタウイルスはウイルス性の胃腸炎をおこしますが、乳幼児がかかりやすく、重症化することも多いため、注意が必要なウイルスです。
このウイルスを生後7日の赤ちゃんマウスに感染させる実験を行ったそうです。
その結果、プラズマ乳酸菌を投与しなかったグループは、下痢によって体重が増えにくくなりましたが、
ウイルス接種の2日前からプラズマ乳酸菌を経口投与したグループは、順調に成長していくことが確認されたそうです。
驚くべきことに、プラズマ乳酸菌を投与されたグループでは、感染2日後の糞便中ウイルス量が半減しており、感染3日目では腸管の抗ウイルス因子の上昇傾向、脾臓中のpDCの活性化が確認されたというのです。
(これらの研究成果は2014年日本農芸化学会で発表されています。)
小さなお子さんがいる家庭では深刻な、ロタウイルスによる胃腸炎。
感染力が強いため、集団活動している幼稚園や保育園ではあっという間に流行し、脱水症状やけいれん、急性腎不全、脳症など命に係わる場合もあります。
治療としては下痢や嘔吐を止めずに、ウイルスを早く体外に出すことが一番ですが、プラズマ乳酸菌によって体内のウイルスを減少させられれば、より早く回復できますね。
過去記事:離乳食でヨーグルトはどう?与えるタイミングとメリット!!
アンチエイジングと寿命延長効果(マウス)
老化の進行が早い“老化促進マウス”を、通常の餌を与えた「標準食群」と通常の餌にプラズマ乳酸菌を加えた「プラズマ乳酸菌群」に分け、5~82週齢まで飼育する実験を行ったそうです。
その結果、「プラズマ乳酸菌群」は「標準食群」に比べて老化の改善が認められ、老化現象の進行を緩和することが確認できたそうです。(毛つやの悪化、皮膚表皮が薄化、筋肉量が減少)
さらに、「プラズマ乳酸菌群」では、82週齢時点での生存率およびpCDの活性度が高いことも確認されたそうです。
プラズマ乳酸菌の摂取によって免疫系が活性化して、感染や細胞のガン化を防ぎ、体内での炎症頻度を低下させたからと考えられています。
疾病リスクが減ったので、寿命が延びる可能性が高まったわけですね。
他にも人における実験で、プラズマ乳酸菌を摂取すると、血液中のウイルスへの免疫応答性が高まることが確認されています。
どうやって摂るの?プラズマ乳酸菌
インフルエンザやロタなどのウイルス性疾患だけでなく、風邪などの症状や寿命、アンチエイジングにまで効果が確認されているプラズマ乳酸菌。
試してみたいと思った人も多いのではないでしょうか?
では、具体的な入手方法について紹介しましょう。
プラズマ乳酸菌はKIRINが研究開発した菌ですが、KIRINグループの小岩井乳業や協和発酵でも商品化されています。
①KIRIN 『まもるチカラのみず』
無糖・カロリーゼロ
②KIRIN 『まもるチカラのサプリ すっきりヨーグルトテイスト』
乳性飲料(プラズマ乳酸菌1000億個配合)
③小岩井乳業 『プラズマ乳酸菌ヨーグルト』
のむヨーグルト/KW乳酸菌プラス
小岩井乳業 『Ca家族プラズマ乳酸菌プラス』
乳飲料(宅配専用)
協和発酵バイオ 『まもるチカラの乳酸菌』
プラズマ乳酸菌サプリメント(1日あたり4粒=プラズマ乳酸菌50mg推奨)
乳酸菌と言えば王道のヨーグルトにサプリメント、そしてペットボトル飲料まであります。好みで選べるのは嬉しいですね。
では、いつ・どれだけ摂れば良いのかと言うと、すべて食品扱いなので細かい規定はありません。
小岩井乳業の研究結果では、ある種のインフルエンザウイルスに対し、プラズマ乳酸菌を含む飲料を4週間摂取することでヒトのpDC活性の低下を留まらせる効果があったとありますが
具体的な菌数は見当たりませんでした。
参考文献:乳酸菌による「免疫賦活」効果http://www.nyusankin.or.jp/scientific/pdf/Nyusankin_487_a.pdf
断言はできませんが、効果のない量で製品化しているとも思えないので、1日1個(1本)などを目安にすれば良いでしょう。
サプリメントでは1日の目安量が明記されていますので、その通りに飲んでください。
前述のように、インフルエンザなどの症状の緩和には数週間にわたって予め摂取することが必要ですので、シーズン到来の前から摂取する方が良いでしょう。
一方、ロタウイルスに関しては、マウスのデータですが数日前からの摂取でも効果があったようです。
治療薬はありませんので、子供の周囲でロタウイルスの胃腸炎が流行り始めたら、ヨーグルトやペットボトル飲料を与えるのも有効な手段かもしれません。
感染しても、通常より回復が早まることが期待できます。
ヨーグルトやドリンク、サプリメントなど、いろんな形態で販売されている『プラズマ乳酸菌』。
小さなお子さんや受験シーズンなどの健康管理、美容の一環などとして、上手に利用したいですね。
正しい乳酸菌の知識を学び、あなたに美容健康ライフを!!!