現代人に多く見られるアレルギー性疾患。
中でも「喘息(ぜんそく)」は、度々苦しい発作を起こし、重度の食物アレルギーと同様、命に関わる疾患です。
アレルギー性疾患の症状軽減と言えば、最近注目の“乳酸菌”ですが、「喘息」に関する情報は極めて少ないのが現状です。
そこで、今回は喘息と乳酸菌の効果について、詳しくまとめてみました。
私も小児喘息で苦しめられた1人なので人事には思えません!!
喘息でお悩みの方は、ぜひ最後まで読んでくださいね!
喘息の原因と実態
喘息(ぜんそく)は、呼吸をするときの空気の通り道(気道)が、アレルギーなど炎症によって敏感になり、けいれんを起こして狭くなること(気道閉塞)で起こります。
この狭い気道を空気が出入りするために、「ゼーゼー」「ヒューヒュー」といった喘鳴(ぜんめい)や咳を伴う発作を起こし、息苦しさを感じます。
最近は小児喘息も増えています。
子供が苦しいのはもちろんですが、それを間近で見ながら看病する親も辛いものです。
小児喘息は重症であるほど治りにくいことが、世界最長の予後調査「メルボルン喘息調査」によってわかっています。
これは、発作を繰り返すうちに、少しの刺激でも発作を起こしやすくなって悪化していくからです。
ですから、発作をコントロールして喘息症状を起こさせないことが、現在の医療方針の主軸になっています。
ところが、喘息患者の気道の粘膜には、免疫に関係する細胞が集まり、発作がおさまっているときでも炎症がおきています。
そのため、ちょっとした刺激でも反応し、気道が閉塞して発作が生じるわけです。
このような点から、喘息はアレルギー(免疫の過剰反応)の一つとされています。
喘息と免疫
ちょっと専門的になりますが、アレルギーを起こす体のシステムについて、もう少し詳しく見てみましょう。
喘息・アトピー性皮膚炎・花粉症などのアレルギー症状は、IgEという抗体(免疫システムの要素)が働くことが原因と考えられています。
このIgEを作るかどうかに関係しているのが、ヘルパーT細胞のTh1細胞とTh2細胞です。
通常、この両者はバランスを保ち、免疫反応をコントロールしています。
Th1細胞がよく働くとIgEは作られにくくなり、Th2細胞がよく働くとIgEが作られやすくなる(=アレルギー発症の可能性が高くなる)という具合です。
…ということは、Th1細胞とTh2細胞の「免疫バランス」を改善すれば、アレルギーを発症しにくくできるということですね。
乳酸菌は喘息に効く?効かない?
アレルギーの症状改善には、体内の免疫バランスの改善…つまりTh1細胞を活性化させることがポイントなわけです。
これに効果を発揮するのが乳酸菌!
多くの機能性乳酸菌が入ったヨーグルトやサプリメントなどが、花粉症やアトピー性皮膚炎などのアレルギー性疾患、インフルエンザなどから体を守るための免疫力アップに効果ありとして、注目されてきました。
もちろん、メーカーは臨床試験や動物実験に基づいて、研究データを公開していますし、学会や専門誌でも成果が発表されています。
「乳酸菌は免疫バランスの改善に効果がある」…これは科学的な根拠に基づく真実です。
ところが、同じアレルギー性疾患なのに、“喘息に効果がある”という商品が他の疾患に比べて少ないのはなぜでしょうか?
喘息は免疫反応だけではない?
実は、喘息がおこる原因やその発症メカニズムには、まだまだ分からない点が多くあります。
つまり、結果として気道が閉塞し、発作が起こることは確かなのですが、病態そのものは解明されていないのです。
前述のIgEが原因という説が有力ではありますが、それだけではないというのが現代医学の見解です。
例えば、喘息患者の中には経験的に知っている人もいると思いますが、ダニやハウスダストといった明確なアレルゲン以外にも、台風や梅雨前線など気候の変化でも発作が起きることがありますね。
精神的な”ストレス”が原因となるケースもあります。
これは、免疫システムよりも、気圧の変化による血管などの拡張や、精神的な影響が刺激となっていると考えられています(非アレルギー性)。
このように、発作の原因が免疫バランスだけでないことが、他のアレルギーのように「乳酸菌が効くよー」と言い切れない原因になっていると考えられます。
ですが、乳酸菌をはじめとした善玉菌や腸内細菌学が注目を浴びるにつれ、喘息との関係性も少しずつ明らかにされてきました。
乳酸菌の効果
それでは、喘息に対して乳酸菌が及ぼす影響を科学的に検証した事例を見てみましょう。
その1 : 腸内環境の影響
筑波大学が米国ミシガン大学と共同で行った研究で「腸内細菌のバランスの乱れが喘息を悪化させるメカニズムを解明した」ということが発表されています(平成26年1月16日)。
簡単に説明しますね。
例えば感染症にかかって抗生剤(抗生物質)を飲んだとします。
抗生剤は感染症の原因となった細菌を殺してくれますが、その菌にだけ作用するわけではありません。腸に棲みついている善玉菌も一緒に殺してしまうのです。
ですから、抗生剤を飲むと下痢をしたり、一緒に整腸剤(ビオフェルミンなど)を処方されたりするわけですね。
…で、善玉菌が減ってしまうと、それによって抑制されていた悪玉菌が活発になってきます。
筑波大学はマウスを用いた実験で、この仲間のカンジダ菌という真菌(カビ)が増殖し、産生するプロスタグランジンという生理活性物質が肺内でマクロファージ(免疫細胞の1つ)を活性化させ、喘息を悪化させることを解明しました。
こんな感じです↓
抗生剤の服用
→ 善玉菌の減少
→ 腸内環境が悪化
→ 悪玉菌の活性化
→ 免疫システムの乱れ
→ 喘息の悪化
筑波大学ではこの結果を受けて、「抗真菌薬の投与が喘息の改善に効果がある」とし、今までとは異なる喘息薬について言及していますが、
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そもそも「腸内環境が悪化しなければ、悪玉菌も増殖せず、喘息も誘発されない」という点です。
逆説的ですけど(笑)。
この実験では抗生剤使用していましたが、腸内環境の悪化はちょっとした生活習慣や食生活の乱れで簡単に起こります。
やはり、腸内環境を良好に維持するためには、日頃の善玉菌(乳酸菌やビフィズス菌)を殖やす努力が大切ということですね!
その2 ブレーベ菌の効果が高い
ブレーベ菌はビフィズス菌の一種です。
乳酸菌などの善玉菌が、免疫細胞の多くが集中する腸の環境を整えることによって、免疫システムを良好に保つことは既に触れました。
その善玉菌の中でも、特にブレーベ菌が喘息の免疫反応に関して効果があるとオランダの大学が発表しているので紹介したいと思います。
簡単にいうと、乳酸菌の種類によってアレルギーを抑制する効果に違いがあるか調べた実験です。
方法は、卵白を与えると気管支喘息を起こすマウスにビフィズス菌4種類(ブレーベ菌、インファンティス菌、アニマリス菌2株)と乳酸桿菌2種類(プラタナス菌、ラムノサス菌)を経口投与します。
そのうえで、卵白を与えて発作(気道の炎症)を起こさせ、その状態をIgEなどの数種類の免疫反応の指標となる物質を測定することで調べました。
その結果、ブレーベ菌が最も優れた抑制効果を発揮した…というものです。
私から見ると、実験に用いた菌株はちょっとマニアックな気もしますが、菌によって効果に差があるということは、とてもおもしろいです。
もしかしたら、ブレーベ菌よりも喘息のアレルギー反応を抑制してくれる菌が、どこかにいるかもしれませんね。
おススメの乳酸菌
多くの喘息患者は、ダニやハウスダストが発生しないように部屋を清潔にし、加湿によって気道を労りながら、医師の指示に従って“吸入ステロイド薬”を使用していると思います。
でも、考えてみてください。
これはすべて予防と対症療法でしかありません。
なぜなら、喘息の原因や発生のメカニズムがすべて解明されていないため、根本治療が確立していないからです。
だからと言って、外側からのケアだけでは、限界があります。
内側…身体そのものを正常な状態に戻すことが大切です。
この点から言うと、アレルギー性疾患に重要なのは“体質改善”。
アトピー性皮膚炎なども同様です。
つまり、免疫バランスを整え、反応を起こしにくい身体に変えていくことなのです。
それには、腸内環境を整えるのがいちばん!
そして、それには自分の腸にあった乳酸菌を摂取して、善玉菌を殖やすことが大切です。
殖やし方はこちらをどうぞ↓
こんなにスゴイ善玉菌のチカラ!善玉菌を増やす3つの方法 ~腸内細菌の増やし方~
個人的には自分の腸と相性が良ければ、どの菌でも良いと思いますが(笑)、調べたところ、喘息にも言及していた乳酸菌があったので、それを使った製品を紹介します。
『アレルケア』
乳酸菌“ラクトバチルス・アシドフィルス L-92株”を含むサプリメントです。
メーカーのカルピス社によると「非常に強い生命力と高い効果を持ち合わせた乳酸菌なので、腸内環境を整えて体を全体的に活性化し、失われた体のバランスを取り戻すことができる(抜粋)」とあります。
また、その中でも免疫系統への効果が高く、「L-92乳酸菌はアレルギー症状を緩和する効果が実証されており、喘息の症状についても同様に緩和効果があると注目」されているとなっています。
喘息を持っている人は、アトピー性皮膚炎の発症率も高いので、総合的にアレルギー症状を緩和してくれる乳酸菌は試す価値ありですね。
特に、この『アレルケア』は大人用・子供用とあり、乳を含めたアレルゲンフリーの製品なので、多くの人に試してもらえると思います。
まとめ 『効果は“ある”!!』
乳酸菌による効果が他のアレルギー性疾患よりも不明瞭であるのは、IgE以外の要因もあるからです。
でも、アレルギー反応でもある以上、IgEの要因を否定することは現段階ではできません。
実際、喘息患者に対し、乳酸菌をとりいれた治療を行う医療機関も増えてきています。
また、喘息をもつ医師が乳酸菌生産物質の効果を自ら検証し、補助的に用いることの有用性を示した報告もあります。
(PDF注意:気管支喘息の診断と治療に関する循環器専門医の事故体験的学習)
この医師のように、補助的(=体質改善)に乳酸菌を用いることが、喘息の軽減のためにいちばん良いのではないかと思います。
乳酸菌は薬ではないので治療に用いることはできません。
でも、主治医が摂り入れていなくても、自分でヨーグルトやサプリメントを購入して摂取することもできます。
摂ったからと言って、副作用となることもありません。
効果が実感できなければ、いつでもやめればいいのですw
ヨーグルトやサプリメントでの乳酸菌の効果的な摂取についてはこちらをご覧ください
乳酸菌を含む食品とその効率的な摂取方法について
自分の腸の環境を整えることが体質改善の第一歩!
そのためには、自分の腸に棲んでいる善玉菌の好みのエサを摂ることが大切です。
それには、多くの種類の乳酸菌やその生産物質を含んだものがマッチングの確率が高くなるのでおすすめです。
ヨーグルト好きなら『カスピ海ヨーグルト』がおすすめです。
これに含まれるクレモリス菌は様々なアレルギー性疾患で高い効果を発揮しています。
まずは数週間、乳酸菌を試してみませんか?
正しい乳酸菌の知識を学び、あなたに美容健康ライフを!!!